ANAカーボン・オフセットプログラムの地球温暖化防止プロジェクト

ANAグループでは、環境保護、地球温暖化の防止に関心の高いお客さまからの声にお応えして、ご搭乗いただく航空機が排出するCO2相当量をオフセット(=埋め合わせ)できる選択肢として「ANAカーボン・オフセットプログラム」を提供しています。支援対象として、国が認証を行う「J-クレジット」及び、世界で最大の発行・認証量を誇る「VCS」と「CCBスタンダード」の同時取得を行っているクレジット、及び持続可能な発展への貢献を重視するゴールド・スタンダード認証を受けたクレジットを選定いたしました。

①やまなし県有林活用温暖化対策プロジェクト

 富士山麓等県土の1/3を占めるやまなし県有林は、FSC森林管理認証の原則により環境に配慮した管理経営を行っています。 本プロジェクトは、その一環として、県有林で実施した間伐によるCO2吸収量について、国(環境省)の推進するオフセット・クレジット(J-VER)制度に基づき、クレジット化し、そのクレジットの売却による収益を県有林の森林整備に活用しています。

県有林の基となっているのは「恩賜林(おんしりん)」です。恩賜林は、明治末期に相次いで発生した大水害の復興に役立てるよう、明治44年に御下賜(ごかし)され、以来、山梨県民共有の財産として、先人たちのたゆみない努力により、100年以上守り育てられています。

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②インドネシアにおける森林保護による生物多様性の保全事業

このプロジェクトはインドネシアのカリマンタン中央部にある重要な泥炭地を保護することにより、年間で約700万t-CO2の排出を回避しています。 この地域では泥炭地層がひろがっているので、燃えると通常の土地が燃えたときの20倍にも上るCO₂が排出されてしまいます。にもかかわらず、経済発展のために現地住民が熱帯林を切り開き、火災となる要因となっています。火災の拡大により、CO₂が多く排出されるだけでなく、貴重な野生生物をはぐくむ、東南アジアの貴重な熱帯林の生態系を大規模に破壊しています。 このプロジェクトは持続可能な自然資源管理及び代替生計手段を通じ、地域周辺の34村を含むコミュニティ開発に貢献しました。 カーボンファイナンスの支援により、現地のココナッツ生産者がココナッツパームシュガーを作ることができ、生活改善に直接貢献しています。さらに狩猟活動と森林火災を削減、重要な鳥の生息地の保護に関する教育などを行うことで、地元住民の環境意識を高めています。 この地域を保護することにより、50種近い絶滅危惧種の生息地の環境が改善され、生物多様性にも直接貢献しています。

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③ペルーにおける森林保護による生物多様性の保全事業

このプロジェクトはペルーで最も生物多様性に富んでいるマドレ・デ・ディオス県で実施しています。このまま森林伐採を続けると、森林資源と生物多様性が失われる危険性が高い地域となります。 このプロジェクトは、健全な森林価値と持続可能なブラジルナッツの収穫によって得られる収入の両方を向上させました。さらに伐採権者が森林を保護・維持できるようにするための取り組みを支援しています。年間で200万トンCO2を削減するとともに、雇用機会の提供及び環境教育によって生活の改善に繋がります。

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※「①やまなし県有林活用温暖化対策プロジェクト」「②インドネシアにおける森林保護による生物多様性の保全事業」及び「③ペルーにおける森林保護による生物多様性の保全事業」認証制度やプロジェクトの種類、プロジェクトの規模の違いにより、カーボン・オフセットの価格も異なります。

日本国内における間伐等の森林保全プロジェクトより、広大な土地で行われる海外のプロジェクトの方が安価となることが多く、ANAカーボン・オフセットプログラムにおいても例外ではありません。